ガラガラポン日記

複雑になってしまった問題を、一度ゼロにして、考え直してみる。

読書メモ『評価と贈与の経済学』

図書館から『評価と贈与の経済学』(内田樹  岡田斗司夫FREEex  徳間ポケット  2013年)を借りてきた。

 

本の表紙の裏に、

異なるフイールドで活躍するふたりの知の匠。

くしくも見解の一致をみた、ポスト資本主義社会における新しい共同体のかたちとは。

と書いてあった。よくまとまってるなあ。

 

岡田斗司夫さんは、今の社会は「イワシ化」しているという。

イワシって小さい魚だから、普段は巨大な群れになって泳いでいる。どこにも中心がないんだけれども、うまくまとまっている。自由に泳いでいる。これは見事に、いまの日本人なのではないかと。そのときの流行りとか、その場限りの流れだけがあって、価値の中心みたいなものがなくなっているんじゃないかと思いますね。

イワシ的にシステム全体がなんとかうまく動いているおかげでまとまっているように見えますが、突発的になにかが起きたら容易にバラバラになる。(p24〜25)

 社会の一断面をうまく表現しているなあ。

 

      ※  参考記事:なぜいわしは群れるのか - 小人さんの妄想 

 

「新しい共同体のかたち」というのが大変興味深い。

「家族」中心の形態にとらわれず、他人が数人集まって疑似家族のようにして生活する形態が選択肢のひとつとして提案されている。(本書では、「拡張家族的な共同体」とも表現されている。)

これは「おひとりさま」といわれる人が次第に増えている現状を見ると、社会に受け入れられそうな考えだ。特に私のような高齢者などは、「おひとりさま」になったとき、生活上の不安が大きいので、疑似家族のような住み方が大変参考になる。

 

「贈与経済、評価経済」という章がある。

内田樹

サッカーって、そういう点ではほんとうに贈与と反対給付の人類学的な叡知をグラウンドで鮮やかに見せてくれるんですから。パスラインが多彩な人、誰も考えなかったようなラインにパスを出す「ファンタジスタ」がゲームのキーパーソンになるんですからね。(p150)

 今、テレビなどでは、ワールドカップの話題で盛り上がっているが、意外なところにサッカーの話が出てきたので驚いている。贈与経済の視点でみるサッカーか。これはこれで面白そう。

 

評価と贈与の経済学

評価と贈与の経済学